■排卵障害をおこす疾患(内分泌異常)
ゴナドトロピン放出ホルモン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン:GnRH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)などのホルモンは密接に連携しながら排卵や卵巣からのホルモン分泌の調整を行いますが、その分泌に異常があると、排卵障害や着床障害につながります。
なお、若い女性でも卵巣機能が低下して原始卵胞の数が少なくなり、このために排卵しない場合もあります。これを「早発閉経症」といいます。また、副腎皮質や甲状腺の機能の異常が原因で排卵障害がおこるケースもあります。
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■卵管障害をおこす疾患
卵管障害には、卵管采に癒着があって卵子を取り込めない「ピックアップ障害」や、卵管内の通過性に問題がある「卵管通過障害」などがあります。卵管にトラブルが発生しやすいのは、女性の生殖器の中で最も粘膜が薄いため、虫垂炎や性感染症(STD)などにより炎症を起こしやすく、この後遺症として癒着や閉塞などを招きやすいためです。
近年は、クラミジア感染による卵管障害が増加しています。また、子宮内膜症により卵管周囲癒着が起こることも少なくありません。
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■着床障害をおこす疾患
子宮に異常があれば着床障害を引き起こし、不妊の原因になります。子宮因子となりうる主な疾患には、様々なものがあります。
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■子宮頸管に関する疾患
頸管、頸管粘液の状態による精子の通過がさまたげられるために妊娠が成立しない場合があります。
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■造精機能障害をおこす疾患
精子をつくる働きの障害には以下のようなものがあります。しかし、原因不明の突発性造精機能障害が約60%を占めるといわれています。また、精巣炎も原因となる場合があります。
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■精路通過障害をおこす疾患
精子の輸送路(精路)に異常をきたすことで射精をさまたげ、不妊の原因となる場合があります。
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■性機能障害の主な疾患
精巣で精子が十分につくられており、精子の輸送路もふさがっていないが、勃起や射精などの性機能に問題があり、性交ができない場合を「性機能障害」といいます。
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■免疫因子
免疫反応が原因となり、受精や着床をさまたげることがあります。
身体の防御機能が本来害ではないものに対して過剰に反応し、排出しようとする免疫機能の異常は、卵子や精子に対しても起こることがあります。なぜ自分自身が作り出す卵子や卵巣を異物と判断してしまうのか、精子や受精卵を異物として排出しようとしてしまうのかについては、はっきりとしたことはわかっていません。
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【引用・参考文献】
*久保春海他(2006):不妊相談のためのマニュアル.不妊に対する理解と支援のための普及事業 事業委員会*NPO法人日本不妊予防研究会編(2008):不妊予防のためのマニュアル.母子保健事業団
[2014.03.04掲載]